引越し先の水害リスクを、ハザードマップの見方と内見・重要事項説明での質問に分けて整理しました
引越し先を決めるとき、間取りや家賃に目が行くのは自然なことです。ただ、水害が起きやすい地域では、部屋の高さと周りの地形が、暮らしの安全を大きく左右します。この記事では、水害ハザードマップをどう読めばよいか、内見や重要事項説明の場で何を聞けばよいかを順番に書きました。
区域の内か外かだけで決めない
「浸水想定区域の外だから大丈夫」と聞くと、ほっとする人は少なくありません。けれど、区域の外でも水が入ることはあります。ハザードマップには、川があふれたときの洪水のほかに、下水や側溝の水があふれる内水、高潮の想定が別々に載っている場合があります。引越し先の市区町村が出している三種類のマップを、それぞれ開いて見てください。
全国のマップをまとめて見たいときは、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」が便利です。住所を入れると、周辺の想定区域を一度に確認できます。
見るべきは「想定される深さ」と「1階の床の高さ」
同じ浸水想定区域の中でも、想定される浸水の深さは場所によって違います。マップの凡例には、色ごとの深さが書かれているので、引越し先の場所の色と照らし合わせてください。浅い想定でも、1階の床がそれより低ければ、家の中まで水は入ります。
1階の床の高さは、内見のときに見当をつけられます。玄関の段差、道路から玄関までの上り方、床下の点検口の位置を見てください。床下の点検口がない物件は、後から確かめにくいので、大家さんや管理会社に聞いておくと安心です。
内見で見ておきたい五つのこと
内見では、部屋の広さや日当たりを見る人が多いと思います。そこに、次の五つを加えてみてください。
- 玄関の段差と、外の地面との高さの差
- 床下の点検口の有無と、床下の湿った匂い
- 1階の窓の位置と、前の道路や敷地との高低差
- 側溝やマンホールの位置、近くの川や水路
- 駐車場が地下や半地下にないかどうか
暗い床下や収納の奥は、懐中電灯があると見落としが減ります。内見の日は、ライトと巻尺を持っていくと、確認がはかどります。
重要事項説明で聞いておきたいこと
重要事項説明で求められる水害の説明は、地図の上で物件の位置を示すことが中心です。深さや過去の被害の話は、流れの中で自然に出てこないことがあります。そこで、次の質問を事前に紙に書いておくと、話が具体的になります。
- この場所では、想定される浸水の深さはどのくらいか
- 過去に床上や床下まで浸水したことがあるか。自治体の浸水実績の図には載っているか
- 建物の1階の床は、前の道路や周辺の地面より高いか低いか
- 建物に止水板などの設備があるか、あるいは設置場所の決まりがあるか
答えが曖昧なときは、その場で結論を出さず、後日書面で回答をもらうと確実です。
賃貸と持ち家で、確認する順番は変わる
持ち家なら、地盤や建物の造りまで含めて判断する余地があります。一方、賃貸では部屋そのものを変えられないので、建物全体の浸水の履歴や、家財の保険でどこまでカバーするかを考える方が現実的です。賃貸の家財保険には水災を外せるプランもあるので、補償の中身を比べてから契約してください。
多くの人がやりがちな誤解
「ハザードマップで色が付いていなければ、水は来ない」と思い込むことです。マップは想定に基づいた図で、想定を超える雨が降れば範囲は変わります。また、マップに載らない細い水路や、排水が追いつかない道路の冠水は、場所ごとに起きることがあります。マップは最初の入口として使い、最後は自治体の窓口や現地の確認で補うのが安全です。
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よくある質問
Q. ハザードマップは、どこで見られますか?
A. 国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で住所を入れて確認できます。引越し先の市区町村も、水害ハザードマップを公開していることが多いです。紙の冊子を窓口で配っている自治体もあります。
Q. 浸水想定区域の外なら、水害の心配はなくなりますか?
A. 区域の外でも、下水や側溝があふれる内水の影響や、想定を超える大雨で水が来ることがあります。区域の内か外かは一つの目安として使い、深さや過去の浸水実績も合わせて確かめてください。
Q. 重要事項説明で水害の説明がなかったら、どうすればよいですか?
A. その場で質問し、重要事項説明書に水害に関する記載があるかを確認してください。契約前であれば、納得できるまで説明を求めて構いません。
まとめ:今日からできる3つのアクション
一つだけ見て安心せず、三つを並べて比べてください。
当日は慌ただしくなるので、先に書いておくと聞き漏らしが減ります。
賃貸でも持ち家でも、補償の中身は会社によって違います。
地域の想定区域をすぐ確かめたいときは、ハザード検索も使えます。避難の判断は、必ず気象庁や自治体が出す情報に従ってください。
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参考にした情報源
- 宅地建物取引業法 第35条・宅地建物取引業法施行規則(e-Gov法令検索 elaws.e-gov.go.jp)
- 国土交通省「ハザードマップポータルサイト」(disaportal.gsi.go.jp)
- 国土地理院「地理院地図」(maps.gsi.go.jp)
- 全日本不動産協会の解説ページ(zennichi.or.jp の公開ページ・2020年8月施行の改正の説明)
- 引越し先の市区町村が公開している水害ハザードマップ・浸水実績の図(各自治体の公開ページ)
お住まいの地域によって、想定される災害や必要な備えは異なります。都道府県・市区町村別の防災情報を確認してみましょう。
地域別の防災情報を確認する →この記事について
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