水害で家が濡れたあとの保険請求を、写真・書類・期限の順に整理しました
床上まで水が来た家では、泥の片付けと避難所の手配が一度に押し寄せます。そのなかで保険の請求は後回しにされやすい手続きです。ただ、被害を写真で残したかどうかで、保険会社との説明のしやすさが変わります。この記事では、火災保険の水災補償を使うときに、どの順番で何を残しておけばよいかをまとめました。
まず保険証券で「水災」が付いているかを見る
火災保険は火事のための契約と思われがちですが、台風や大雨による浸水は「水災」という補償に分かれています。水災は付けるかどうかを選べる契約が多く、付いていない家は浸水しても保険金の対象になりません。
見落としやすいのは、マンションの管理組合が入っている保険と、自分の部屋の家財や内装を守る保険の違いです。部屋の中の被害は、個人で入っている契約で見るのが基本になります。契約先が分からないときは、日本損害保険協会の「自然災害損保契約照会センター」に問い合わせる方法があります。
片付ける前に、被害を写真で残す
泥を出し始めると、水が入った直後の状態は二度と撮れません。外観を四方向から撮り、室内の被害も撮ります。浸水の深さが分かるように、壁の横にメジャーを当てた写真があると、説明が短く済みます。建築士会の水害関連の資料でも、片付けの前に被害状況を撮っておくことが請求の裏付けとして役立つと案内されています。
廃棄する家財は、捨てる前に一つずつ撮ります。型番やラベルが写るものは、そこも一緒に残しておくと、買い替えの見積もりにも使えます。動画も記録として使えるので、撮ったデータはスマホの中だけでなく、別の場所にもコピーしておいてください。
請求の流れは、保険会社への連絡から始まる
一般的には、事故の連絡、必要書類の準備、保険会社による損害の調査、支払いという順に進みます。連絡を先に入れておくと、調査の日程を相談しやすくなります。修理を先に終わらせてしまうと、保険会社が損害の状態を確かめられず、話が長引くことがあります。
書類の名前や内容は会社によって違いますが、保険金請求書、事故内容の報告書、損害の明細、修理の見積書、罹災証明書、写真などが挙げられることが多いです。見積もりは複数の業者から取っておくと、金額の根拠を説明しやすくなります。
罹災証明書は、どの家にも必要な書類とは限らない
罹災証明書は市区町村が発行し、住家の被害の程度を証明するものです。生活再建支援金や税の減免といった支援制度を使うときには、求められることが多い書類です。一方、保険金の請求では、保険会社が独自に調査するため原則不要とする自治体の案内もあります。鹿児島市のQ&Aでは、民間保険の請求は各社で調査されるため罹災証明書は原則不要とされています。
つまり、要否は保険会社によって変わります。加入先に「罹災証明書は必要か」と聞くのが確実です。申請窓口は市区町村なので、支援制度も考えているなら、被災後できるだけ早く役所に確認してください。
期限は3年。忘れていたときの動き方
保険法第95条では、保険給付を請求する権利は、3年間行使しないと時効で消滅すると定められています。浸水の被害から3年が過ぎると、請求できなくなるおそれがあります。被害日から3年後の日付をカレンダーに入れておくと、うっかり忘れを防げます。
もし時間が経ってしまっても、まずは保険会社に相談してください。いつから3年を数えるかや、途中で時効が止まる条件は、契約や状況で判断が変わります。自分で諦める前に、確かめるのがよいです。
多くの人がやりがちな誤解
「罹災証明書さえあれば、保険金は自動で支払われる」と考えがちです。ところが、罹災証明書の取得と保険金の請求は別の手続きです。証明書を手に入れても、保険会社に事故を連絡しなければ、請求の話は始まりません。証明書を取ったから安心、ではなく、連絡と写真の二つを先に済ませるのが近道です。
おすすめ製品
以下は、本文で触れた写真・書類・片付けに役立つ用品のカテゴリです。型番まで特定した商品ではなく、検索結果ページへのリンクになっています(モバイルバッテリーのみ商品ページ)。
よくある質問
Q. 水災の補償がない火災保険でも、何か請求できますか?
A. 水災補償は保険証券で確認してください。水災が付いていなくても、契約内容によっては他の補償が関係することがあるので、加入先の保険会社に事情を伝えて確かめるのが確実です。
Q. 罹災証明書の申請期限はありますか?
A. 期限は市区町村によって異なります。支援制度を使う予定なら、被災後できるだけ早く窓口に確認してください。
Q. 写真は何枚くらい撮ればよいですか?
A. 必要な枚数の決まりは見当たりません。保険会社から案内があればそれに従ってください。目安としては、外観の四方向、浸水の高さが分かる写真、廃棄する家財の一つずつを揃えると説明しやすくなります。
まとめ:今日からできる3つのアクション
補償の有無と、契約先の保険会社の連絡先をメモしておきましょう。
保険会社の名前が分からないと、請求の入り口にたどり着けません。早めに確認しておくと安心です。
被害の直後は慌てやすいので、何を撮るかを決めておくと、写真の抜けが減ります。
地域の浸水のおそれを確かめておきたい場合は、ハザード検索で想定区域を見ておくと、備えの優先順位が決めやすくなります。避難の判断は、必ず気象庁や自治体が出す情報に従ってください。
本ページはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者として、適格販売により収入を得ています。記載の製品はカテゴリでの紹介で、検索結果ページへのリンクです。楽天市場のリンクは楽天アフィリエイトを利用しています。
参考にした情報源
- 保険法 第95条(e-Gov法令検索 elaws.e-gov.go.jp)
- 日本損害保険協会「自然災害損保契約照会センター」(sonpo.or.jp)
- 鹿児島市「罹災証明書に関するQ&A」(city.kagoshima.lg.jp の公開ページ)
- 埼玉県「罹災証明に関する資料」(pref.saitama.lg.jp の公開PDF)
- 一般社団法人 建築士会「水害被害の対応に関する資料」(kenchikushikai.or.jp の公開PDF)
お住まいの地域によって、想定される災害や必要な備えは異なります。都道府県・市区町村別の防災情報を確認してみましょう。
地域別の防災情報を確認する →この記事について
この記事を書いた人: 備えガイド運営事務局
情報源: 気象庁・内閣府・消防庁・国土交通省・自治体などが公表している情報、および製品メーカー・販売元が公開している仕様情報をもとに作成しています。実数(公的データ・公式スペック)以外の統計・レビュー・体験談は創作していません。
商品情報について: 本ページの商品情報は、メーカー・販売元の公開情報や複数のレビューサイトの傾向をもとに、防災用途の観点から当サイトが整理したものです。編集部による実使用レビューではありません。
誤りにお気づきの場合は、運営者情報のお問い合わせフォームからご連絡ください。
