最終更新日: 2026年10月8日
停電時にスマホの充電や照明を確保できるポータブル電源は、防災グッズの中でも比較的高額な部類ですが、容量の選び方を誤ると「いざという時に使えない」ことになりかねません。キャンプや車中泊、屋外イベントでの普段使いにも活用できる製品なので、「防災用に買って何年も収納の奥に眠らせる」のではなく、日常でも出番がある容量帯から選ぶという視点を持っておくと無駄になりません。容量(Wh)の考え方と、用途別の目安を実在製品のスペックとともに整理しました。ラジオ・照明・乾電池もあわせた停電時の電源対策も確認しておきましょう。
ポータブル電源を含む電源全般の備えをどこまで揃えればよいかは家庭ごとに違います。まず今の備えのレベルを知りたい方は、10問で診断できる防災レベル診断から始めてみてください。
容量(Wh)の考え方
ポータブル電源の容量はWh(ワットアワー)という単位で表され、「何Wの機器を何時間動かせるか」を示します。計算式は「消費電力(W)×使用時間(h)」ですが、実際には直流から交流への変換ロスがあるため、表示容量の8割程度で見積もるのが実用的とされています。例えば1,000Whの機種で100Wの機器を使う場合、「1,000×0.8÷100=約8時間」が目安になります。この「×0.8」を忘れると、想定より早く電池切れになる点に注意が必要です。
用途別・容量の目安
500Wh前後:スマホ・照明中心
スマホの充電と最低限の照明を確保する用途なら、500Wh級で4〜5時間ほど対応できるとされています。半日程度の短い停電向けの容量帯です。
1,000Wh前後:停電1日分の備え
スマホ・照明に加えて扇風機や小型家電も組み合わせやすく、1日程度の停電にはこの容量帯がバランスの取れた選択と言われています。価格帯は6〜10万円程度の製品が主流です。
2,000Wh以上:家族の備え・冷蔵庫対応
家族全員のスマホ・ライトに加え、冷蔵庫を短時間動かすことも視野に入る容量帯です。家庭用冷蔵庫を半日〜1日動かすことを想定する場合は、1,500〜2,000Wh以上の大容量モデルが推奨されています。目安として、400Lクラスの冷蔵庫の実効消費電力はおおむね120W前後(1日あたり750〜1,000Wh程度)と考えられています。1,000Whのポータブル電源(実効容量は変換ロスを踏まえ約800Wh)であれば「800Wh÷120W≒約6.7時間」が計算上の目安になり、半日はもたない計算です。冷蔵庫を丸1日カバーしたい場合は、2,000Wh級以上を検討するとより現実的です。
ポータブル電源の容量目安 計算ツール
優先したい用途を選んで容量の目安を確認
安全性について:経済産業省の整理
PSEマークがなくても違法ではない
経済産業省のFAQでは、AC100Vコンセント出力を持つポータブル電源は「モバイルバッテリー」には該当せず、PSE規制(2018年2月1日以降、直流出力のモバイルバッテリーが対象)の対象外と整理されています。PSEマークがないこと自体は違法・危険を意味しません。安全性は、メーカーの品質管理・保証体制、採用しているバッテリーの種類(リン酸鉄リチウムなど)で判断するのが実践的とみられています。
こんな人は、まだ買わなくてもOK
- 水の備蓄がまだできていない
- 携帯トイレの備蓄がまだできていない
- 防災リュックの中身が整っていない
- 集合住宅で保管場所を確保しづらい
こんな人は検討していい
- 在宅避難を想定している
- 停電時も冷蔵庫を維持したい
- 医療機器など電源が必要な機器がある
製品スペック比較(独自集計)
Amazon商品ページ等の公開情報をもとに、当サイトで価格・容量・仕様を集計しました。
| 製品名 | 容量 | 定格出力 | 電池種類 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Jackery ポータブル電源 1000 New | 1,070Wh | 1,500W | リン酸鉄(10年長寿命) | 業界トップクラスの軽さ、1時間急速充電 |
| Anker Solix C1000 Gen 2 | 1,056Wh | 1,500W | リン酸鉄 | セール時6万円前後で人気上位 |
| EcoFlow DELTA 3 Plus | 1,024Wh | 1,500W | リン酸鉄 | 56分で満充電、UPS機能10ミリ秒未満 |
| Anker 521 Portable Power Station | 256Wh | 300W(瞬間600W) | リン酸鉄 | 重量3.7kg、約3万円、まず1台目の小容量モデル |
| BLUETTI AC200L | 2,048Wh | 2,000W | リン酸鉄 | 冷蔵庫も視野に入る大容量帯、セール時8〜9万円台 |
※価格・仕様・セール状況は変動します。購入前に各ECサイトで最新情報をご確認ください。
おすすめ製品
ここからは、備えガイド編集部が公開情報をもとに選んだ商品です。編集部が実際に購入・使用したレビューではありません。
Jackery ポータブル電源 1000 Newの購入者評価を見る(良い2・気になる2)
レビュー確認日: 2026年9月15日時点(複数のレビューサイト・購入者の声を基に当サイトで要約)
良いという声
- 1500W出力でドライヤーなど高出力家電も問題なく使えるという評価が多い
- 従来モデルより約2割コンパクトになり、片手で持てるほど軽いという声
気になるという声
- 10.8kgと軽量級をうたう割には重いと感じる人もいる
- バッテリー保護のため充電が85%で止まる仕様に気づかず戸惑ったという報告がある
Anker Solix C1000 Gen2の購入者評価を見る(良い2・気になる2)
レビュー確認日: 2026年9月15日時点(複数のレビューサイト・購入者の声を基に当サイトで要約)
良いという声
- 最速級の充電速度と、従来モデルより1割強軽い携行性が評価されている
- 拡張バッテリーで容量を増やせる点や3段階LEDライトが災害時に役立つという声
気になるという声
- 想定より重く、屋外への持ち運びが負担になるという意見がある
- 急速充電時のファン音が思いのほか大きく、就寝時の使用には向かないという指摘
EcoFlow DELTA 3 Plusの購入者評価を見る(良い2・気になる1)
レビュー確認日: 2026年9月15日時点(複数のレビューサイト・購入者の声を基に当サイトで要約)
良いという声
- ACコンセントから56分でフル充電できる速さと、600W以下なら図書館並みの静音性が評価されている
- 1500W(ブースト時2000W)の出力でドライヤーなど家電も余裕をもって使えるという声
気になるという声
- 容量自体は防災用としては最低限レベルという指摘もある
Anker 521 Portable Power Station(256Wh)
スマホ・照明中心の短時間停電向けの小容量モデルです。リン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、3,000回の充放電後も初期容量の80%以上を維持するというのが一般的な見方です。価格は3万円前後と、ポータブル電源を初めて備える方にも手が届きやすい水準です。
Amazonで見るAnker 521 Portable Power Stationの購入者評価を見る(良い2・気になる2)
レビュー確認日: 2026年9月15日時点(複数のレビューサイト・購入者の声を基に当サイトで要約)
良いという声
- 3.7kgと軽量コンパクトで、スマホやノートPCの充電に使いやすいという評価が多い
- リン酸鉄リチウムイオン電池で8年使っても劣化が少ないという安心感を挙げる声
気になるという声
- 出力300Wのため、調理家電やエアコンなど消費電力の大きい機器には不向きという指摘
- 3〜4人家族の長期停電をこれ1台でまかなうには心もとないという声もある
BLUETTI AC200L
2,000Wh級の大容量モデルで、冷蔵庫を長めに動かしたい場合の候補になります。定価は約20万円ですが、セール時は8〜9万円台まで下がることがあります。本体重量も重くなるため、キャスター付きの持ち運び方法も確認しておくと安心です。
Amazonで見るBLUETTI AC200Lの購入者評価を見る(良い2・気になる2)
レビュー確認日: 2026年9月15日時点(複数のレビューサイト・購入者の声を基に当サイトで要約)
良いという声
- ソーラー充電で2時間ほどで満充電できる速さや、2000W出力でIH調理器も動かせる点が評価されている
- ワイヤレス充電パッドを備え、スマホを置くだけで充電できる利便性を挙げる声も
気になるという声
- 約28kgと重く、階段の上り下りなど持ち運びには苦労するという指摘がある
- 専用アプリに対応していない点を惜しむ声もある
よくある質問
500Whのポータブル電源は何時間もちますか?
目安は「容量(Wh)×0.8÷消費電力(W)」です。500Whなら、スマホ充電とLEDライト程度(合計10W前後)で40時間以上、ノートPC(50W前後)なら8時間前後が目安になります。冷蔵庫(150W前後)を動かし続けたい場合は2〜3時間程度で、常時稼働には力不足です。ご家庭の人数・使いたい家電に合わせた必要容量は、備蓄量の診断ツールでも確認できます。
ポータブル電源とモバイルバッテリーの違いは何ですか?
モバイルバッテリーは直流(DC)出力でスマホなどの充電に特化していますが、ポータブル電源はAC100Vコンセント出力に対応しており、家電製品も動かせる点が大きな違いです。容量も一般的にポータブル電源の方が大きくなります。
普段使わないのに劣化しませんか?
近年主流のリン酸鉄リチウムイオン電池は、従来のリチウムイオン電池より寿命が長い(充放電サイクル数が多い)と言われています。一般的な三元系リチウムイオン電池の充放電サイクルが500〜1,000回程度なのに対し、リン酸鉄リチウムは2,000〜4,000回程度とされ、毎日フル充放電しても数年〜10年程度使える計算になります。長期保管する場合は、満充電・空のままではなく、半年に一度程度の充放電が推奨されています。
ソーラーパネルと組み合わせる必要がありますか?
必須ではありませんが、停電が長期化した場合、ソーラーパネルがあれば日中の充電で電力を回復できます。100Wパネルでも晴天なら1日400〜600Wh程度の発電が見込めると考えられています。長期停電への備えを重視するなら検討する価値があります。
容量は大は小を兼ねますか?大きいモデル1台で十分ですか?
容量が大きいほど多くの機器を長く動かせますが、その分本体が重く、価格も高くなります。大容量モデルは持ち運びに不向きな場合もあるため、在宅避難中心なら大容量1台、避難所への持ち出しも想定するなら中〜小容量をもう1台、という組み合わせも選択肢になります。用途を分けて検討するのがおすすめです。
フル充電にはどれくらい時間がかかりますか?
製品や充電方法によって異なりますが、近年のモデルはAC急速充電で1〜1.5時間程度、ソーラー充電では日照条件によって数時間〜1日程度かかるのが目安です。停電が予想される前に満充電にしておく習慣をつけておくと安心です。
まとめ:今日からできる3つのアクション
上の計算ツールを参考に、スマホ・照明中心か、冷蔵庫も動かしたいかを整理しましょう。
本体裏面や取扱説明書に記載されている消費電力(W)を確認しておくと、必要な容量がより具体的に把握できます。
ポータブル電源は主要ECサイトのセールで価格が大きく変動する製品です。プライムデーなどのタイミングを見計らって検討すると、費用を抑えられる場合があります。
参考にした情報源
- 経済産業省「モバイルバッテリーに関するFAQ」(交流100V出力のポータブル電源はPSE対象外という整理)(2026年9月22日確認)
- Anker Japan公式「防災にポータブル電源は本当にいらない?」「ポータブル電源で冷蔵庫は何時間動かせる?」
- 価格.com「ポータブル電源 人気売れ筋ランキング」
- Jackery「リン酸鉄リチウムイオンバッテリーとは」、togopower・PowerLife等「リン酸鉄と三元系のサイクル数比較」
- Jackery「ポータブル電源で冷蔵庫は何時間持つ?」、oikura「冷蔵庫の消費電力まとめ」(400Lクラス冷蔵庫の実効消費電力)
- Anker Japan「Anker 521 Portable Power Station」製品情報、BLUETTI Japan「AC200L」製品情報
- 各製品のAmazon・メーカー公式ページ記載スペック(2026年8月〜9月時点、当サイトにて集計)
お住まいの地域によって、想定される災害や必要な備えは異なります。都道府県・市区町村別の防災情報を確認してみましょう。
地域別の防災情報を確認する →この記事について
この記事を書いた人: 備えガイド運営事務局
情報源: 気象庁・内閣府・消防庁・国土交通省・自治体などが公表している情報、および製品メーカー・販売元が公開している仕様情報をもとに作成しています。実数(公的データ・公式スペック)以外の統計・レビュー・体験談は創作していません。
商品情報について: 本ページの商品情報は、メーカー・販売元の公開情報や複数のレビューサイトの傾向をもとに、防災用途の観点から当サイトが整理したものです。編集部による実使用レビューではありません。
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