最終更新日: 2026年10月2日
台風や大雨のあと、「壊れた屋根の修理代は保険で出るのか」と気になる場面があります。火災保険はその名前から「火事のための保険」と思われがちですが、実際には台風・暴風・浸水・盗難など幅広い被害に対応しています。一方で、補償されない損害もあります。自分の契約内容を確認するための整理として使ってください。
火災保険は火災だけでなく、台風・水ぬれ・盗難なども補償の対象になりえます。ただし補償の範囲は契約内容(特約の有無・支払方法など)によって異なります。地震・津波・噴火による損害は火災保険では補償されず、地震保険が対応します。このページは一般的な仕組みの整理です。具体的な補償内容は必ずご自身の保険証券または加入している保険会社に確認してください。
自分の保険証券で「補償範囲」欄を確認する
火災保険が補償する主な損害
火災保険は「火事だけ」の保険ではありません。一般的な住宅総合保険には以下の損害が補償範囲として含まれることが多いです。
| 補償の種類 | 具体的な損害の例 | 備考 |
|---|---|---|
| 火災・爆発 | もらい火・自分の火事・ガス爆発 | 火元が隣家でも補償対象になる |
| 風災・ひょう災・雪災 | 台風で屋根が破損・ひょうでガラスが割れる | 免責金額(自己負担額)が設定されていることが多い |
| 水ぬれ | 上階からの水漏れで家財が濡れた | 自分の給排水設備の事故が原因の場合も対象になることがある |
| 水災 | 洪水・土砂崩れによる損壊・浸水 | 特約または上乗せオプションの場合が多い。建物の損害程度や床上浸水かどうかで補償条件が異なる |
| 盗難 | 空き巣に入られ家財が盗まれた・壊された | 建物本体の損壊も対象になることがある |
| 破損・汚損 | 子どもが誤ってテレビを壊した | 特約扱いの場合が多い |
※上記は一般的な住宅総合保険の例です。補償の有無・適用条件は保険会社・商品・特約の有無によって異なります。
補償されない損害の典型例
「保険で出ると思っていたら出なかった」という誤解が起きやすいのが、次のようなケースです。
- 経年劣化・老朽化による損壊 — 長年の使用で傷んだ屋根や外壁の修繕は、原則として火災保険の対象外です。「台風で壊れた」のではなく「もともと傷んでいた」と判定された場合も補償対象外になることがあります。
- 地震・噴火・津波による損害 — 地震が原因で起きた火災や倒壊も、火災保険では補償されません(後述)。
- 故意または重大な過失による損害 — 自ら起こした損害は補償対象外です。
- 洪水・土砂崩れ(水災不担保で契約している場合) — 水災補償を省いた契約では、浸水被害は補償されません。月々の保険料を抑えるために水災補償を外している契約は少なくないため、証券で確認が必要です。
保険金詐欺(修理業者などを名乗る手口)に注意
被災直後に「保険で全額直せる」と声をかけてくる業者には注意が必要です。不当な工事や架空請求のリスクがあります。まず保険会社に直接連絡し、損害調査の手順を確認してください。詳しくは被災後の悪質商法・詐欺の手口と対処法も参照してください。
地震・津波・噴火による損害は火災保険では補償されない
地震が原因の火災・倒壊・津波による損壊は、火災保険の補償対象外です。補償を受けるには、火災保険に付帯する形で地震保険に加入する必要があります。地震保険は火災保険に単独で加入することはできない、法律で保険料が統一されている、保険金額は火災保険の30〜50%以内、などの特徴があります。詳しくは地震保険の補償範囲と注意点で整理しています。
保険証券で確認すべきポイント
「補償されるか」を自分で判断するには、保険証券を手元に用意して次の項目を確認するのが近道です。
- 補償対象:「建物のみ」「家財のみ」「建物+家財」のどれか。賃貸の場合は家財のみが多いです。
- 補償項目:風災・水災・水ぬれ・盗難などの各補償が「あり/なし/特約」のどれか。
- 免責金額(自己負担額):損害額から差し引かれる自己負担分。設定が高いと小さな損害では保険金が出ないことがあります。
- 支払い方式:損害額に比例して支払われる「比例払い」か、損害割合に応じた段階払いか。
- 特約の内容:破損・汚損特約、個人賠償責任特約などが付いているか。
「証券が見当たらない」という場合は、加入している保険会社の契約者向けページか、コールセンターに問い合わせると再発行・内容確認ができます。
よくある質問
台風で屋根が壊れた場合、火災保険で修理できますか?
台風による屋根の損壊は、一般的に「風災」として補償の対象になりえます。ただし経年劣化による損傷と判定された場合や、免責金額以下の損害の場合は支払われないことがあります。まず保険会社に連絡し、損害の報告手順を確認してください。手順は被災後の保険請求の手順で整理しています。
賃貸に住んでいます。どの範囲が補償対象ですか?
賃貸の場合、建物は建物所有者(家主)の保険の対象となるため、入居者が加入する火災保険の対象は基本的に「家財」です。また借家人賠償責任(火事で部屋を損傷した場合の大家への賠償)や個人賠償責任が特約として付いていることが多いです。入居時に加入した保険証券を確認してください。
水災補償は必要ですか?
補償の要否はお住まいの地域のリスクによります。ハザードマップで浸水リスクが高い地域や、低地・川の近くにお住まいの場合は特に確認する価値があります。お住まいの地域のハザード情報はハザード検索で確認できます。なお水災補償を外すと月々の保険料は下がりますが、浸水被害は補償されなくなります。
保険金請求の期限はありますか?
保険会社によって異なりますが、多くの場合は「損害発生を知ってから3年」が請求期限(時効)とされています。被災後すぐに請求しなかった場合でも、期限内であれば請求できる場合があります。ただし証拠となる写真や修理見積書は早めに取得・保管しておくことをお勧めします。
今月中にできる3つの確認
証券が見当たらない場合は保険会社のマイページまたはコールセンターで内容を確認できます。
被災直後は混乱しているため、連絡先をあらかじめスマホや非常用ポーチに控えておくと動きやすくなります。
地震・噴火・津波による損害は火災保険では補償されません。地震保険は火災保険の更新タイミングで付帯できます。詳しくは地震保険の補償範囲と注意点を参照してください。
参考にした情報源
- 金融庁「火災保険・地震保険に関するQ&A」(https://www.fsa.go.jp/)
- 損害保険料率算出機構「火災保険・地震保険の概要」(https://www.nliro.or.jp/)
- 一般社団法人日本損害保険協会「自然災害と保険」(https://www.sonpo.or.jp/)
- 消費者庁「保険金詐欺・悪質修理業者への注意」(https://www.caa.go.jp/)
お住まいの地域によって、想定される災害や必要な備えは異なります。都道府県・市区町村別の防災情報を確認してみましょう。
地域別の防災情報を確認する →この記事について
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