最終更新日: 2026年9月27日
「車があれば電気には困らない」と考える方もいますが、実態は車種によって大きく異なります。ガソリン車のシガーソケットで賄えるのはせいぜいスマホの充電程度。一方、EVやPHEVなら家庭数日分の電力を供給できることもあります。同じ「車から電気を取る」でも、桁がまったく違うのです。
車を使った停電時の電源確保をどこまで揃えればよいかは家庭ごとに違います。まず今の備えのレベルを知りたい方は、10問で診断できる防災レベル診断から始めてみてください。
ガソリン車:シガーソケットの「限界」を知る
シガーソケットにインバーターを挿せば、DC12VをAC100Vに変換して家電を使えるようになります。ただし供給できる電力には限りがあり、100W前後にとどめておくのが安全とされています。それ以上の電力を使おうとすると、シガーソケットのヒューズが切れることがあります。もう一つ見落としやすいのが、エンジンを止めたままの使用です。エンジンをかけずにインバーターを使い続けると、バッテリーの電力を消費するだけで充電されないため、最悪の場合エンジンがかからなくなります。長時間使うなら、エンジンをかけた状態を基本にしてください。家庭用コンセントと同じ感覚で使うと、車両火災につながるリスクもあると言われています。
EV・PHEV:桁違いの給電能力
電気自動車の駆動用バッテリーから電気を取り出す「V2L(Vehicle to Load)」という機能を持つ車種も増えています。例えば日産リーフ(40kWh/62kWh)は、車内のAC電源(1500W)と外部給電コネクターを組み合わせることで、最大3,000Wまで給電できると考えられています。一般家庭の1日あたりの電力使用量を約12kWhとすると、40kWhのバッテリーで単純計算約3日分、62kWhならさらに長い期間をまかなえる計算です。実際に、日産リーフとV2H(家庭用の給電設備)を使って2日半の停電を乗り切った利用者の事例も報告されています。ただし、急速充電口を使うV2H・V2L(DCタイプ)は、急速充電に対応しないPHEVでは使えません。自分の車が対応しているか、購入時やディーラーで確認しておく価値があります。
そもそも「給電できるだけの燃料」があるか
内閣府(防災担当)・資源エネルギー庁・国土交通省は、燃料タンクの残量が半分を切る前に満タン給油する「満タン法」を推奨しています。大規模災害では、停電でガソリンスタンドのポンプが動かなくなったり、給油待ちの行列ができたりして、燃料そのものが手に入りにくくなることがあります。給電のための機材(インバーターやEVの外部給電コネクター)をそろえても、肝心の燃料や充電が残っていなければ意味がありません。普段の給油習慣を少し変えるだけの対策ですが、見落とされがちなポイントです。
製品スペック比較(独自集計)
各メーカー公式サイト・Amazon・価格.com掲載の公開情報をもとに、当サイトで仕様を集計しました。
| 製品名 | 対応電圧 | 出力 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| セルスター PI-150/12V | DC12V | 定格120W、瞬間最大300W | USB2.4A、USB自動識別機能 |
| 大自工業 Meltec SIV-301 | DC24V | 定格120〜300W、瞬間最大150〜350W | トラック等24V車向け、変換効率75% |
| 大自工業 Meltec HPU-150 | DC12V | 定格120W、瞬間最大300W | USB端子付き |
| Anker PowerCore 10000 | ― | 3,000円台〜 | |
| シガーソケット USB 充電器 急速 | ― | 1,500円台〜 |
※価格・仕様は変動する場合があります。購入前に各ECサイトで最新情報をご確認ください。EV・PHEVのV2L・V2H対応可否は車種ごとにメーカーへご確認ください。
こんな人は、まだ買わなくてもOK
- 水の備蓄がまだできていない
- 携帯トイレの備蓄がまだできていない
- 防災リュックの中身が整っていない
- 集合住宅で保管場所を確保しづらい
こんな人は検討していい
- 在宅避難を想定している
- 停電時も冷蔵庫を維持したい
- 医療機器など電源が必要な機器がある
おすすめ製品
ここからは、備えガイド編集部が公開情報をもとに選んだ商品です。編集部が実際に購入・使用したレビューではありません。
セルスター PI-150/12Vの購入者評価を見る(良い3・気になる1)
レビュー確認日: 2026年9月15日時点(複数のレビューサイト・購入者の声を基に当サイトで要約)
良いという声
- コンパクトさと静音性を評価する声が多く、ファンレスのため静かに使えるという意見がある
- AC100VとUSBポートを同時に使えて、複数のデバイスを同時に充電できる利便性が高評価
- 作りがしっかりしていて、メーカーとしての信頼性を感じるという声がある
気になるという声
- 矩形波タイプのため、一部のノートPCなど精密機器では充電できない場合があるという指摘
大自工業 Meltec SIV-301の購入者評価を見る(良い2・気になる1)
レビュー確認日: 2026年9月15日時点(複数のレビューサイト・購入者の声を基に当サイトで要約)
良いという声
- 省電力性能やUSB電源対応、静音性が評価されており、故障が少なく作りがしっかりしているという声がある
- コンパクトで静かに使えて満足という感想や、2年ほど使っても不具合や騒音の増加がないという声もある
気になるという声
- 電源コードがもう少し長いと使いやすい、クリップがもっと小さいとよいという改善要望がある
車でも使える予備電源。
Amazonで見るAnker PowerCore 10000の購入者評価を見る(良い3・気になる3)
レビュー確認日: 2026年9月19日時点(複数のレビューサイト・購入者の声を基に当サイトで要約)
良いという声
- 10,000mAhでスマホを約2回充電でき、カード大の薄型で持ち運びやすい
- Ankerの安全機能と作りの丈夫さから、安心して使えるという声が多い
- 容量のわりに手頃な価格
気になるという声
- 入力がMicroUSBの型では、Type-Cケーブルと別にケーブルが必要になる
- 最大出力が12W程度で、充電速度は最新の急速充電器より遅い
- スマホ向けで、ノートPCなどは充電できない
大自工業 Meltec HPU-150
定格120W、瞬間最大300Wの標準的なDC12V用インバーターです。USB端子も備え、スマホやモバイルバッテリーの充電に対応します。
Amazonで見るよくある質問
自分の車のシガーソケットが何Wまで対応か調べるには?
取扱説明書にヒューズの定格電流(アンペア)が記載されていることが多く、そこから対応ワット数を計算できます。不明な場合は、100W前後を上限の目安として使うのが安全です。
ガソリンはどのくらい消費しますか?
アイドリング状態での燃料消費量は車種によって異なりますが、長時間の給電を想定するなら、ガソリンの備蓄量にも限りがあることを踏まえておく必要があります。無駄なアイドリングを避け、必要なときだけエンジンをかける運用が基本です。
ハイブリッド車(HV)はEVと同じように使えますか?
車種によります。一部のハイブリッド車には給電機能(アクセサリーコンセント等)が搭載されていますが、EVのV2Lほどの大出力に対応していない場合もあります。お手持ちの車の取扱説明書やメーカーサイトで対応機能を確認しましょう。
密閉された車庫の中で使っても大丈夫ですか?
エンジンをかけた状態でガレージなど換気の悪い場所にいると、排気ガスによる一酸化炭素中毒のリスクがあります。窓を開ける、屋外で使用するなど、換気には十分注意してください。
まとめ:今日からできる3つのアクション
ガソリン車かEV・PHEVか、V2L・V2Hに対応しているかを取扱説明書やメーカーサイトで確認しましょう。
ガソリン車の場合は、100W前後を目安にしたインバーターを備えておきましょう。
給電にも燃料が必要です。普段から燃料計の半分を切ったら給油する「満タン法」を意識しましょう。
参考にした情報源
- CARTUNEマガジン「車で100V電源が使える車用インバーターの選び方を解説!」
- くるまのサ「停電時に車は電源になる?シガーソケットの限界」、haisya110「シガーソケットをコンセント化!」
- 日産「電気自動車(EV)の電気は、家でも使える。V2H」、日産EV公式ブログ「日産リーフとV2Hで2日半の停電を乗り切った」
- EVsmartブログ「電気自動車やPHEVは災害のとき発電できる?」
- 大自工業(Meltec)「HPU-150」「SIV-301」製品情報、セルスター「PI-150/12V」製品情報
- 各製品のAmazon・価格.com記載スペック(2026年9月時点、当サイトにて集計)
お住まいの地域によって、想定される災害や必要な備えは異なります。都道府県・市区町村別の防災情報を確認してみましょう。
地域別の防災情報を確認する →この記事について
この記事を書いた人: 備えガイド運営事務局
情報源: 気象庁・内閣府・消防庁・国土交通省・自治体などが公表している情報、および製品メーカー・販売元が公開している仕様情報をもとに作成しています。実数(公的データ・公式スペック)以外の統計・レビュー・体験談は創作していません。
商品情報について: 本ページの商品情報は、メーカー・販売元の公開情報や複数のレビューサイトの傾向をもとに、防災用途の観点から当サイトが整理したものです。編集部による実使用レビューではありません。
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