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感震ブレーカーの選び方|通電火災を防ぐ3つのタイプ

感震ブレーカーの選び方|通電火災を防ぐ3つのタイプ

最終更新日: 2026年10月4日

大地震の後に起きる火災は、実は地震の揺れそのものより「通電火災」が主な原因とされています。避難中で家が留守の間に電気が復旧し、倒れた電気器具や傷んだ配線から出火するケースです。感震ブレーカーの仕組みと選び方を、公的統計と実在製品のスペックをもとに整理しました。

結論: 内閣府の資料によると、阪神・淡路大震災では原因が特定された火災の約6割、東日本大震災では約5割強が電気に起因する出火でした。感震ブレーカーは、一定以上の揺れを感知すると自動でブレーカーを落とし、通電火災を防ぐ機器です。工事不要の簡易タイプなら3,000円台から導入でき、自治体の補助金制度が使える地域もあります。

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ブレーカーのスイッチのイラスト

「通電火災」はなぜ起こるのか

大きな地震で停電すると、その後電力会社によって電気が復旧します。このとき、地震で倒れた電気ストーブや照明器具の周りに燃えやすいものが散乱していたり、損傷した配線がショートしたりすると、無人の家の中で火災が発生することがあります。これが「通電火災」です。避難所に避難していて誰も家にいない状況で出火するため、初期消火ができず延焼につながりやすいのが特徴です。内閣府の資料によると、阪神・淡路大震災(1995年)では原因が特定された火災139件のうち約6割(85件)が電気関係の出火、東日本大震災(2011年)でも原因が特定された108件のうち約5割強(58件)が電気関係の出火とされています。いずれも、地震火災の主な原因が「揺れそのもの」より「その後の電気」にあることを示すデータです。

普及・支援はまだ十分に進んでいない

総務省消防庁が実施した実態調査(令和6年度)によると、感震ブレーカーの普及啓発活動を行っている市区町村は、調査対象のうち399自治体(22.6%)にとどまり、約8割にあたる1,369自治体は未実施でした。設置費用の補助など支援制度を実施している自治体も23.8%にとどまっています。感震ブレーカーは通電火災を防ぐ有効な対策とされている一方で、自治体レベルの取り組みはまだ全国的に広がりきっていないのが実情です。お住まいの地域に制度がなくても、通電火災のリスク自体は変わらないため、個人での備えを検討する価値があります。

感震ブレーカー、3つのタイプ

① 分電盤タイプ(内蔵型・後付け型)

分電盤に感震センサーを組み込み、揺れを感知すると家全体の電気を遮断するタイプです。電気工事が必要ですが、家全体を一括でカバーできる点が利点です。価格帯は、分電盤に内蔵されたタイプで約5万〜8万円、既存の分電盤に後付けするタイプで約2万円程度が目安です。

② コンセントタイプ

特定のコンセントに内蔵されたセンサーが揺れを感知し、そのコンセントに接続された回路の電気を遮断するタイプです。工事不要で、既存のコンセントに差し込むだけで設置できる製品が多く、価格帯は約5,000円〜2万円程度です。ストーブなど発火リスクの高い機器の近くに重点的に設置したい場合に向いています。

③ 簡易タイプ(おもり玉・バネ式)

おもりの落下やバネの作動によって、物理的にブレーカーのスイッチを落とす仕組みです。電子部品を使わないため電源も不要で、最も安価(3,000円台〜)かつ、自分で取り付けやすいのが特徴です。ただし設置するブレーカーの形状によっては取り付けられない場合があるため、事前に対応機種を確認しましょう。

設置のデメリットも知っておく

停電時の照明・情報収集の手段は別に確保する

感震ブレーカーが作動すると、家の電気が完全に止まります。夜間や停電時の避難中に電気が落ちると、照明が使えなくなり、かえって危険な場合もあります。感震ブレーカーを設置する場合は、懐中電灯やランタンなど電源に依存しない照明を、あわせて手の届く場所に用意しておくことが推奨されています。人工呼吸器など医療機器を使用しているご家庭では、作動によるリスクも含めて慎重に検討する必要があります。

自治体の補助金・支援制度を確認する

東京都をはじめ、多くの自治体が感震ブレーカーの設置を支援する制度を設けています。支援の形は「補助金」だけでなく、「無償配布」「あっせん事業」「無償貸与」などさまざまで、対象となる世帯や機器の種類は自治体ごとに異なります。例えば木造住宅が密集する地域を対象に、工事費の一部(自治体によっては3分の2、上限5万円など)を補助する例もあります。購入・設置の前に、お住まいの自治体の防災担当窓口や公式サイトで、対象になる制度がないか確認しておくと、費用を抑えられる可能性があります。

製品スペック比較(独自集計)

各メーカー公式サイト・Amazon・価格.com掲載の公開情報をもとに、当サイトで仕様を集計しました。

製品名種別作動条件参考価格
ヤザワ(NIP) スイッチ断ボールIII簡易タイプ震度5・6・7相当の3段階から選択可2,601円〜
多摩岡産業 感震ブレーカー EQ-5コンセントタイプ内蔵センサーが揺れを感知1万円台
パナソニック コンパクト21専用 感震ブレーカー BQX702分電盤タイプ震度5強相当以上で作動2万円台(後付け)
coco断(ココダン)コンセントタイプ内蔵センサーが揺れを感知5,000円台〜
停電時に使える LEDランタン 電池式電池式2,000円台〜

※価格・仕様は変動する場合があります。購入前に各ECサイトで最新情報をご確認ください。分電盤タイプは設置に電気工事が必要です。

こんな人は、まだ買わなくてもOK

  • 水の備蓄がまだできていない
  • 携帯トイレの備蓄がまだできていない
  • 防災リュックの中身が整っていない
  • 集合住宅で保管場所を確保しづらい

こんな人は検討していい

  • 在宅避難を想定している
  • 停電時も冷蔵庫を維持したい
  • 医療機器など電源が必要な機器がある

おすすめ製品

ここからは、備えガイド編集部が公開情報をもとに選んだ商品です。編集部が実際に購入・使用したレビューではありません。

まず手軽に導入したい方

ヤザワ(NIP) スイッチ断ボールIII

電気工事不要で自分で取り付けられる簡易タイプです。震度5・6・7相当の3段階から作動条件を選べます。2,601円からと価格が手頃で、賃貸住宅でも導入しやすい製品です。

口スイッチ断ボールIIIの購入者評価を見る(良い2・気になる2)

レビュー確認日: 2026年9月15日時点(複数のレビューサイト・購入者の声を基に当サイトで要約)

良いという声

  • 4種類のキャップが付属し、様々な形状のブレーカーレバーに対応できて取り付けやすいという声がある
  • 販売サイトのレビューでは星4〜5評価が全体の多くを占めており、満足度の高さがうかがえる

気になるという声

  • 実際に球を落として作動確認したところ、マンション側の見守りシステムに自動で通知が届いて驚いたという体験談がある。動作確認は事前に管理会社へ一声かけておくと安心
  • 感度を震度5・6・7の3段階から選ぶ仕組みのため、建物の構造や地盤に合わせた初期設定にやや迷うという声もある
複数箇所に設置したい方

多摩岡産業 感震ブレーカー EQ-5

コンセントタイプの選択肢の一つです。分電盤タイプほどの費用をかけずに、複数のコンセントに分散して設置したい場合の候補になります。

口多摩岡産業 感震ブレーカー EQ-5の購入者評価を見る(良い2・気になる2)

レビュー確認日: 2026年9月15日時点(複数のレビューサイト・購入者の声を基に当サイトで要約)

良いという声

  • Amazonのレビューで「取付簡単、安心」という声があり、電気工事不要ですぐ設置できる点が評価されている
  • Yahoo!ショッピングで4.67点(3件)、Amazonで4.5点(7件)と、複数の販売サイトで高評価が並んでいる

気になるという声

  • コンセントタイプは特定の家電の電源のみを遮断する仕組みのため、家全体の通電火災リスクを完全になくせるわけではないという指摘がある
  • ドアの開閉や近くを通る車の振動などを地震と誤認して作動することがあるとされ、設置場所を選ぶ必要がある
家全体を一括でカバーしたい方

パナソニック コンパクト21専用 感震ブレーカー BQX702

既存のパナソニック製分電盤(コンパクト21シリーズ)に空き回路があれば後付けできるタイプです。震度5強相当以上で作動し、家全体の電気を一括で遮断します。設置には電気工事が必要です。

口パナソニック 感震ブレーカー BQX702の購入者評価を見る(良い2・気になる2)

レビュー確認日: 2026年9月15日時点(複数のレビューサイト・購入者の声を基に当サイトで要約)

良いという声

  • Yahoo!ショッピングで5.00点(3件)の評価があり、分電盤にコンパクトに後付けできる点や取り付け後の見た目のすっきりさが評価されている
  • 夜間の地震でも避難経路の照明を3分間確保できる設計になっており、真っ暗にならない点を安心材料に挙げる声がある

気になるという声

  • 家全体の電気を一括で遮断する仕組みのため、作動すると冷蔵庫やエアコンも止まり、特に高齢者や小さな子どもがいる家庭では生活への影響が大きいとの指摘がある
  • 設置には電気工事が必要で、後付けには電気工事士への依頼費用がかかる点がコンセントタイプと比べたデメリットとして挙げられる
危険な機器の近くに重点設置したい方

coco断(ココダン)

コンセントに差し込むだけで設置できるタイプです。ストーブや電気ヒーターなど、発火リスクの高い機器のコンセント付近に重点的に設置したい場合に向いています。

ブレーカーが落ちた後
停電時に使える LEDランタン 電池式

感震ブレーカー作動後の暗闇でも使える電池式ランタン。

よくある質問

感震ブレーカーは本当に必要ですか?

内閣府の資料では、阪神・淡路大震災で原因が特定された火災139件のうち約6割(85件)、東日本大震災でも108件のうち約5割強(58件)が電気関係の出火とされており、大地震の火災は「揺れそのもの」より「その後の通電」が原因になりやすいことが分かっています。一方で総務省消防庁の令和6年度調査では、普及啓発を行っている自治体は22.6%にとどまり、地域の取り組みだけに頼るのは心もとない状況です。持ち家・賃貸を問わず、工事不要の簡易タイプなら数千円から導入できるため、優先度の高い備えの一つと言えます。

賃貸住宅でも設置できますか?

簡易タイプやコンセントタイプは工事不要で取り付けられる製品が多く、賃貸住宅でも導入しやすい選択肢です。分電盤タイプは工事を伴うため、設置前に管理会社や大家さんへの確認が必要です。

ブレーカーが落ちると冷蔵庫の中身が心配です

感震ブレーカーは大きな揺れを感知した場合に作動する設計のため、日常の小さな振動で頻繁に作動するものではありません。ただし作動した際は在宅避難の安全確保が優先されるため、停電に備えたポータブル電源や、保冷剤などの備えも合わせて検討しておくと安心です。

作動した後、電気はどうやって復旧させますか?

製品によって異なりますが、多くは安全確認後に手動でスイッチを元に戻す仕組みです。むやみに自分で復旧させず、家の中に倒れた電気器具や損傷した配線がないかを確認してから電気を戻すようにしましょう。

すでにブレーカーを手動で落として避難すれば同じ効果がありますか?

地震発生直後にブレーカーを落として避難できれば同様の効果が期待できますが、実際の地震発生時には慌ててしまい、ブレーカーを落とす余裕がないことも多いと言われています。感震ブレーカーは、その操作を自動化する装置と考えるとよいでしょう。

どのタイプから導入するのがおすすめですか?

費用や手間を抑えて始めたい場合は、工事不要の簡易タイプやコンセントタイプから導入するのが現実的です。木造住宅密集地域にお住まいで自治体の補助金が使える場合は、家全体をカバーできる分電盤タイプも検討する価値があります。

まとめ:今日からできる3つのアクション

1
今すぐ 自宅の分電盤の形状を確認する

分電盤タイプ・後付けタイプが設置できるか、メーカー・型番を確認しておきましょう。

2
今週中に お住まいの自治体の補助金制度を調べる

感震ブレーカーの設置支援制度があるか、自治体の防災担当窓口や公式サイトで確認しましょう。

3
今月中に まずは簡易タイプから設置してみる

工事不要のタイプであれば、届いたその日から設置できます。まずは1台試してみましょう。

本ページはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者として、適格販売により収入を得ています。スペック比較表は当サイトがメーカー公式サイト・Amazon商品ページ等の公開情報をもとに集計したものです。価格・在庫状況は変動するため、購入前に各ECサイトで最新情報をご確認ください。

参考にした情報源

あなたの地域の防災情報を確認

お住まいの地域によって、想定される災害や必要な備えは異なります。都道府県・市区町村別の防災情報を確認してみましょう。

地域別の防災情報を確認する →

この記事を読んだら

  1. 我が家に必要な量を計算する → 備蓄量の診断
  2. いまの備えを点検する → 防災レベル診断(SONAE SCORE)
  3. 足りないものを探す → 防災グッズ一覧

この記事について

この記事を書いた人: 備えガイド運営事務局

情報源: 気象庁・内閣府・消防庁・国土交通省・自治体などが公表している情報、および製品メーカー・販売元が公開している仕様情報をもとに作成しています。実数(公的データ・公式スペック)以外の統計・レビュー・体験談は創作していません。

商品情報について: 本ページの商品情報は、メーカー・販売元の公開情報や複数のレビューサイトの傾向をもとに、防災用途の観点から当サイトが整理したものです。編集部による実使用レビューではありません。

誤りにお気づきの場合は、運営者情報のお問い合わせフォームからご連絡ください。

4 thoughts on “感震ブレーカーの選び方|通電火災を防ぐ3つのタイプ”

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