最終更新日: 2026年10月2日
台風や大雨で自宅が被害を受けたとき、保険請求の手順が分からず時間が経ってしまうことがあります。被害の記録は時間が経つほど難しくなるため、落ち着いたら早めに動くことが大切です。このページでは、損害保険(主に火災保険)の請求の流れを、連絡から保険金受け取りまでステップで整理しています。
保険請求は「①被害を記録する→②保険会社に連絡する→③書類を準備する→④調査・査定→⑤受け取り」の流れで進みます。最初のステップで重要なのは写真での被害記録です。修理や片付けの前に記録しておくと、後の調査や書類作成がスムーズになります。手順はこのページで整理していますが、実際の申請方法・必要書類は加入している保険会社によって異なるため、まず保険会社に連絡して確認してください。
STEP 1:安全を確認し、被害を写真に記録する
修理・片付け前に写真で記録する
まず身の安全を確認してから、修理や片付けに手をつける前に被害箇所を写真撮影します。写真は保険会社への報告や調査時の証拠として使われます。
- 被害箇所を複数の角度から撮影する(全体像+アップ)
- 日付が入るカメラアプリや、撮影日時のメタデータがある写真を使う
- 破損・浸水の範囲が分かるよう広角でも撮影する
- 家財の被害も含めて記録する(家財が補償対象に含まれている場合)
片付けや修理を急ぐ場合
安全上の理由でどうしても応急処置が必要な場合は、処置前と処置後の両方を記録してください。応急処置に使った材料・費用も記録しておくと、保険会社との確認に役立つことがあります。
STEP 2:保険会社に連絡する
写真記録の後、加入している保険会社の事故受付窓口に連絡します。契約によっては24時間受付の窓口があります。
- 連絡時に伝えること:契約者名・証券番号・被害の概要・発生日時・被害箇所
- 連絡先は保険証券または保険会社のWebサイトで確認できます
- 保険会社から「必要書類」「調査の流れ」「担当者の連絡先」などの案内があります
「どこに連絡すればいいか分からない」という場合は、一般社団法人日本損害保険協会の「そんぽADRセンター(0570-022808)」に相談窓口があります。
STEP 3:必要書類を準備する
書類と写真証拠をまとめて準備する
保険会社から指定された書類を準備します。一般的に必要になることが多い書類は以下の通りですが、保険会社・契約内容によって異なります。
- 保険金請求書(保険会社所定の様式)
- 被害状況の写真
- 修理見積書または修理完了の領収書
- り災証明書(市区町村が発行。必須ではないが、あると審査がスムーズになることがある)
- 本人確認書類(必要な場合)
り災証明書は市区町村役場で申請できます。り災証明書の申請手順はり災証明書の取り方で整理しています。
STEP 4:現場調査・査定
保険会社から調査員が派遣され、被害状況を実際に確認します(規模や内容によって書類審査のみの場合もあります)。
- 調査員に被害箇所を案内し、撮影した写真があれば共有する
- 修理業者の見積書があれば提出する
- 不明点があれば調査員に質問できます
調査結果をもとに保険会社が損害額を算定し、保険金の支払い額が決まります。
STEP 5:保険金の受け取り
査定が完了すると、保険会社から支払い内容の通知が届き、指定口座に保険金が振り込まれます。
- 保険金の使途は原則として自由です(修理に使わなければならないという制限はないことが多いです)
- 支払い内容に疑問がある場合は、保険会社の担当者に確認するか、そんぽADRセンターに相談できます
地震保険の請求との違い
地震・津波・噴火による損害は火災保険では補償されないため、地震保険に加入している場合は別途請求が必要です。地震保険の請求も基本的な流れは同じですが、損害の認定方法が火災保険と異なります。地震保険は損害の程度(全損・大半損・小半損・一部損)に応じた定額払いです。詳しくは地震保険の補償範囲と注意点をご覧ください。
公的支援(り災証明書・被災者生活再建支援金)との区別
保険金と公的支援は別の制度です。火災保険・地震保険の保険金を受け取った場合でも、条件を満たせば公的支援の申請は可能です。主な公的支援として、被災者生活再建支援金(都道府県と市区町村による支援)、義援金、災害援護資金の貸し付けなどがあります。公的支援の仕組みはり災証明書の取り方と被災者生活再建支援金で詳しく整理しています。
よくある質問
被災から時間が経ってから気づいた場合でも請求できますか?
多くの保険では損害発生を知ってから3年が請求の時効とされています。時間が経っていても証拠が残っていれば請求できる場合があります。ただし写真や修理記録がないと審査が難しくなるため、早めの対応をお勧めします。時効・手続き期限の詳細は加入している保険会社に確認してください。
修理業者から「保険で直せる」と言われました。どうすればいいですか?
まず加入している保険会社に直接連絡し、補償対象かどうかを確認してください。業者が代わりに保険会社と交渉すると言う場合は慎重に対応してください。不当な見積書や架空工事の被害事例があります。詳しくは被災後の悪質商法・詐欺の手口と対処法を参照してください。
り災証明書は必ず必要ですか?
火災保険の請求に必須ではないことが多いですが、り災証明書があると審査がスムーズになることがあります。また公的支援(被災者生活再建支援金など)の申請には必要です。市区町村役場で申請でき、通常は無料です。手順はり災証明書の取り方をご覧ください。
今月中にできる3つの準備
被災直後は冷静に調べにくいため、非常用ポーチや家族の連絡先と一緒にメモしておくと使いやすくなります。
防水ケースに入れて非常用ポーチに保管するか、スキャンしてクラウドに保存しておくと、被災後も参照しやすくなります。
浸水リスクが高い地域で水災補償を外している場合は、次の更新時の見直し材料になります。ハザード情報はハザード検索で確認できます。
参考にした情報源
- 一般社団法人日本損害保険協会「保険金請求のご案内」(https://www.sonpo.or.jp/)
- 金融庁「保険の基礎知識」(https://www.fsa.go.jp/)
- 消費者庁「被災後の悪質商法に関する注意喚起」(https://www.caa.go.jp/)
- 内閣府防災担当「被災者生活再建支援制度」(https://www.bousai.go.jp/)
お住まいの地域によって、想定される災害や必要な備えは異なります。都道府県・市区町村別の防災情報を確認してみましょう。
地域別の防災情報を確認する →この記事について
この記事を書いた人: 備えガイド運営事務局
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