最終更新日: 2026年9月27日
地震そのものより、その後の避難生活で命を落とす「災害関連死」。その死因の内訳を見ると、意外にも最も多いのは肺炎です。それも、多くが誤嚥性肺炎とされています。原因は複合的ですが、断水で歯みがきができず、口の中の細菌が増えることが一因として指摘されています。
「うちの防災、これで足りているのか」と気になった方は、防災レベル診断で10問答えるだけで今の弱点が分かります。
なぜ「歯みがき」が命に関わるのか
断水すると、歯みがき粉を吐き出したり口をゆすいだりする水がなくなります。多くの人は「今は歯みがきどころではない」と考え、後回しにしてしまいます。ところが口の中を清潔に保てないと、細菌が急激に増殖します。免疫力や嚥下機能が落ちている高齢者では、増えた細菌を含む唾液が誤って気管に入り、誤嚥性肺炎を起こすリスクが高まると言われています。阪神・淡路大震災では、災害関連死のうち肺炎が最も多く、その割合は4分の1に達したという報告があります。それ以降の大規模地震でも、災害関連死の約3割を呼吸器疾患が占めているとされ、この傾向は繰り返し確認されています。
数字で見ると、肺炎は日本人の死因の第3位(悪性新生物・心疾患に次ぐ)で、そのうち約6割が誤嚥性肺炎によるものと考えられています。75歳男性の約10人に1人、90歳男性では約8人に1人が肺炎で亡くなっており、その大多数が誤嚥性肺炎と考えられています。介護施設に入所する高齢者では、摂食嚥下障害の有病率が4割を超えるという報告もあります。平時からリスクの高い方が、断水という引き金でさらに悪化する構図です。
水がなくてもできる口腔ケア
歯みがきシート・指サック型シート
指に巻きつけて歯や歯ぐきを拭き取るタイプで、水もブラシも不要です。要介護の方や、自分で歯ブラシを使うのが難しい方の口腔ケアにも使われています。
水のいらない液体ハミガキ
口に含んでうがいをするだけで殺菌効果が期待できるタイプです。スティック状の個包装であれば、避難所でも衛生的に配布・使用できます。
使い捨て歯ブラシ(歯磨き粉付き)
ブラシに歯磨き粉があらかじめ含まれており、少量の水またはうがいなしでも使える製品があります。普段の感覚に近い形でケアしたい場合に向いています。
製品スペック比較(独自集計)
各メーカー公式サイト・Amazon・価格.com掲載の公開情報をもとに、当サイトで仕様を集計しました。
| 製品名 | 種別 | 仕様 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| サンスター 長期保存用 ガム・デンタルリンス | 液体ハミガキ(水不要) | スティックタイプ個包装、保存期間5年 | 薬用成分CPC・GK2配合、歯周病菌を殺菌 |
| キレイナ 水のいらない指サック型歯みがきシート | 歯みがきシート | 10枚入×80パック | 水・ブラシ不要、要介護者のケアにも対応 |
| 使い捨て歯ブラシ(歯磨き粉付き) | 使い捨て歯ブラシ | 個包装、数十本セット | 歯磨き粉付きでそのまま使用可能 |
| 歯磨き シート 使い捨て 携帯 | 携帯 | 800円台〜 | |
| マウスウォッシュ 携帯 個包装 | ― | 800円台〜 |
※価格・仕様は変動する場合があります。購入前に各ECサイトで最新情報をご確認ください。
こんな人は、まだ買わなくてもOK
- 水の備蓄がまだできていない
- 携帯トイレの備蓄がまだできていない
- 防災リュックの中身が整っていない
- 集合住宅で保管場所を確保しづらい
こんな人は検討していい
- 在宅避難を想定している
- 停電時も冷蔵庫を維持したい
- 医療機器など電源が必要な機器がある
おすすめ製品
ここからは、備えガイド編集部が公開情報をもとに選んだ商品です。編集部が実際に購入・使用したレビューではありません。
よくある質問
歯みがきシートだけで十分ですか、うがいも必要ですか?
シートだけでも一定の効果は期待できますが、可能であれば少量の水でうがいを併用すると、より口の中を清潔に保ちやすくなります。水が全くない状況では、シートやリンスタイプだけでもケアを続けることが大切です。
入れ歯を使っている場合はどうすればよいですか?
入れ歯にも汚れが付着し、細菌が増える原因になります。専用の洗浄剤や、水が使えない場合は歯みがきシートで拭き取るなど、入れ歯自体の清掃も忘れずに行いましょう。
子どもの歯みがきも同じように対策すべきですか?
子どもも同様に、断水時は歯みがきがおろそかになりがちです。ただし乳幼児向けの液体ハミガキは年齢制限がある製品もあるため、対象年齢を確認してから使用してください。
マスクや消毒液の備蓄と同じタイミングでそろえてよいですか?
はい。どちらも避難所での感染症・体調不良を防ぐという点で共通しています。衛生用品としてまとめて備蓄・保管しておくと管理しやすくなります。
まとめ:今日からできる3つのアクション
誤嚥性肺炎のリスクが特に高い家族がいる場合、優先して口腔ケア用品を備えましょう。
歯みがきシートや液体ハミガキを、持ち出し袋と自宅の両方に用意しておきましょう。
普段から一度使ってみることで、災害時にも抵抗なく取り入れられます。
参考にした情報源
- いわき市役所「災害時の口腔ケア ~歯みがきがあなたの命を守ります!~」
- 日本歯科衛生士会 関連資料「大規模災害時の口腔ケアに関する報告集」
- 中日新聞Web「被災に備え口腔ケアを 誤嚥性肺炎などの予防」
- 厚生労働省「災害時のお口(くち)のお手入れについて」(平成28年熊本地震関連情報)
- サンスター「長期保存用 ガム・デンタルリンス」製品情報
- 各製品のAmazon・価格.com記載スペック(2026年9月時点、当サイトにて集計)
お住まいの地域によって、想定される災害や必要な備えは異なります。都道府県・市区町村別の防災情報を確認してみましょう。
地域別の防災情報を確認する →この記事について
この記事を書いた人: 備えガイド運営事務局
情報源: 気象庁・内閣府・消防庁・国土交通省・自治体などが公表している情報、および製品メーカー・販売元が公開している仕様情報をもとに作成しています。実数(公的データ・公式スペック)以外の統計・レビュー・体験談は創作していません。
商品情報について: 本ページの商品情報は、メーカー・販売元の公開情報や複数のレビューサイトの傾向をもとに、防災用途の観点から当サイトが整理したものです。編集部による実使用レビューではありません。
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3 thoughts on “断水時の歯みがき対策|災害関連死で最も多いのは実は肺炎”